ご存じ「はやぶさ」のプロジェクトリーダー・川口淳一郎教授が、技術開発における「一流・二流・三流」について面白い話をされていたので紹介します
まず、
・心配していたことが起きてしまうのは「三流」
そして
・想定外のことが起きるのは「二流」
だそうです
「はやぶさ」は次々と発生したトラブルに打ち勝って成果を上げたために評価されたが、それでは所詮「二流」とのこと
すると(映画化された)アポロ13号も、現在進行形の福島原発も二流(ひょっとしたら三流?)という訳ですね
では「一流とは?」・・・
「何も起きない」ことです!
「一流」は凄いことを何事もなくやってのけるので、かえって注目も集めにくく評価が難しいとのこと
一流って・・・実は結構ジミなんですね・・・(笑)
あの「何も起きなかった」2000年問題に対応した技術者達は一流だったのですよ
俗に「マッチポンプ」という言葉があります
放火して(マッチ)それを自ら消火(ポンプ)することで「大活躍」を演出するパフォーマンスです
傍目には「頑張ってる。活躍している」と評価してしまいそうですが、実は単なる自作自演
地味~な防火対策の方が「一流」なのです
新聞もテレビも「防火対策」より「大火災!!」の方をネタとして大々的に取り上げますけどね・・・
もうひとつ身近な例をあげますと・・・
お正月を迎え皆さんの家庭にもたくさんの年賀状が届いたことと思います
きっとその中に何人か「住所が変わりました」という人を発見したことでしょう
さて、これに対する行動ですが、下記3つのパターンが考えられます
(1)そのまま放置。翌年、旧住所に出してしまい「転居先不明」で戻ってくる。新年早々アタフタと古い年賀状の束を探し出して調べ直し、慌ててハガキも買い足しに走る(あー忙しい!)
(2)そのまま放置。年末になってから調べ直して再確認し、住所録をメンテする
(3)その場ですぐ住所録をメンテする
どれが効率的かは言うまでもありませんね
(1)は論外ですね。余分なコスト(時間とおカネ)がかかるマッチポンプ状態です(忙しくて充実感はあるかも)
(2)も師走の忙しい時期に再確認の手間ヒマ(コスト)がかかります
(3)なら年末年始「何も起きません」
ここでも「何も起きない」のが一流なのです(笑)
蛇足ですが、この手の要領の良さは単に「習慣」の問題であり「アタマがいい」とか「成績が良い」とかの能力とはあまり関係ありません
そして、社会に出てから(シゴトができると)高く評価されるのは、テストの成績や出身学校よりも、多分にこの「要領の良さ」であることは覚えておいて良いでしょう